【日常の疑問#2】緊急事態宣言は歴史上何回くらい発出されてるの?発出の時期と理由について調べました!

どうも、ともです。

昨今のニュースでよく耳にする、「緊急事態宣言」ですが、これまで日本において、どのような理由で何回程度発出されているのか気になったので調べてみました。

1.1941年12月 太平洋戦争開戦時
2.1948年4月 阪神教育事件
3.1982年9月 日本国有鉄道の極度の経営悪化
4.2011年3月 福島第一原子力発電所事故
5.2011年3月 福島第二原子力発電所の圧力抑制機能喪失
6.2020年4月 新型コロナウイルス感染症(1回目)
7.2021年1月 新型コロナウイルス感染症(2回目)

緊急事態宣言が出された理由の概要に関して、以下にまとめていきます。

そもそも緊急事態宣言とは?

緊急事態宣言は、非常事態宣言と呼ばれることもある宣言です。

緊急事態宣言とは、どのような考えに基づいて発出されているのか辿っていくと、「国家緊急権」という考え方にたどり着きます。

国家緊急権とは、どのようなものか国会の答弁資料より引用して紹介いたします。


国家緊急権とは、「戦争・内乱・恐慌・大規模な自然災害など、平時の統治機構をもっては対処できない非常事態において、国家の存立を維持するために、国家権力が、立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限i」をいう。

これは、一般に、憲法秩序を崩壊させる政治の動きを事前に防止し、又は事後に是正する装置という意味において、憲法保障制度の一形態であると考えられている。緊急事態に際して国家が有する権能については、①平時の立憲体制の範囲内における臨時的かつ一時的な統治機構・作用の変更としての緊急権、②憲法上又はコモン・ロー(common law)上、憲法秩序の一時的な停止の要件、一定条件下における一国家機関による独裁的な権限行使等を認める緊急権(いわゆる「憲法制度上の国家緊急権」)、③憲法秩序の全面停止又は否定の上に超憲法的な独裁的権力の行使を認める不文の緊急権(いわゆる「憲法を踏み越える国家緊急権」)、以上の三つのパターンを概念することができると考えられているii。ただし、憲法秩序の停止を伴わない①のパターンは、固有の意味での国家緊急権の概念に該当するものではなく、また、③のパターンは、法の問題ではなく、政治の問題であると考えられていることから、②のパターンが憲法学の対象となるiii。

「非常事態と憲法」に関する基礎的資料より

いろいろと難しいことが書かれていますが、ざっくりまとめると、「普通のやり方だと国が滅んでしまうから、特別なやり方で、国を守るよ。その間は普段認めている権利を制限するよ。」ということです。

そのため、人が集まるお店などに時短要請を行ったりできるようになります。

以降に、緊急事態宣言が出された理由の概要に関して、簡単にまとめていきます。

1.1941年12月 太平洋戦争開戦時

太平洋戦争の開戦と同時に非常事態宣言が発出されました。戦争という国家存亡の危機のため、発出されています。

この宣言は、日本全国の全国民に発出されています。

2.1948年4月 阪神教育事件

阪神教育事件とは、日本を占領統治していたGHQの指令により日本政府が「朝鮮人学校閉鎖令」を発令し、日本全国の朝鮮人学校を閉鎖しようとした事に対して、1948年4月に、大阪府と兵庫県で発生した在日韓国・朝鮮人と日本共産党による暴動事件です。

よほど、歴史に詳しい方でないと、詳しく知っている方は少ないのではないのでしょうか?

このときに発出された緊急事態宣言は、日本国憲法下においてはじめての宣言であり、地域は兵庫県に限定したものでした。

3.1982年9月 日本国有鉄道の極度の経営悪化

日本国有鉄道の経営悪化に伴い、発出された宣言です。

正式名称は「国鉄緊急事態宣言」というものです。

主な宣言の内容は、新規採用の原則停止、職員数削減を含んだものでした。

この宣言は、国鉄に限定したものであり、日本全国や特定の地域に対して発出された宣言ではありませんでした。

4.2011年3月 福島第一原子力発電所事故

2011年3月11日に発生した東日本大震災による地震・津波の影響により、福島第一原子力発電所で発生した原子力事故です。

2015年3月時点で、原子炉内にあった核燃料のほぼ全量が溶融しているほどの深刻な事故でした。

この事故の際に発出された宣言の正式名称は、「原子力緊急事態宣言」というものです。

この宣言は、発電所周囲の地域に限定したものでした。

5.2011年3月 福島第二原子力発電所の圧力抑制機能喪失

2011年3月11日に発生した東日本大震災による地震・津波の影響により、福島第二原子力発電所で発生した原子力事故です。

原子炉を安全に止めるためには、原子炉の冷却が不可欠です。

その作業はもちろん人力では困難であるため、電力をしようして行われます。

しかし、津波の影響や自身の影響において、3つの電力系統すべてが喪失してしまい、その結果、原子炉の安全な制御ができなくなりました。

この事故の際に、福島第一原子力発電所の事故と同様に「原子力緊急事態宣言」というもの発出されました。

この宣言も、福島第一原子力発電所の事故と同様に発電所周囲の地域に限定したものでした。

6.2020年4月 新型コロナウイルス感染症(1回目)

2019年末から、世界的に感染が拡大していた新型コロナウイルス感染症が、日本国内においても、感染の拡大が進んだため、緊急事態宣言が発出されました。

この宣言は、最終的に全国を対象に発出されました。

地域を限定せずに発出された緊急事態宣言は、太平洋戦争開戦の時以来、実に79年ぶりの出来事でした。

7.2021年1月 新型コロナウイルス感染症(2回目)

一度は、感染者数の減少に一定の成果を得ていましたが、2020年の年末にかけて、再度新型コロナウイルス感染症の感染が拡大したため、緊急事態宣言が発出されました。

この宣言も、2020年4月の宣言と同様に、広範囲にわたって発出された緊急事態宣言です。

まとめ

今回は、「緊急事態宣言」が、これまで日本において、どのような理由で何回程度発出されているのか気になったので調べてみました。

調べる前は、今まで緊急事態宣言という言葉をあまり聞いたことがなかったので、2021年4月現在で過去7回も出ていることに驚きました。

緊急事態宣言を意識しなくても生活できる日常が戻ってくることを願っています。