どうも、ともです。
最近、大学時代の後輩が、仕事でエネルギー管理士の資格を取得することになったと連絡がありました。
その中で、彼から
・受験にはどのような準備が必要なの?
と相談を受けました。
これからエネルギー管理士試験を受ける方の中には、彼と同じ疑問を持つ方も多いかと思います。
そこで、今回はエネルギー管理士の資格について詳しく解説していきます。
どのような資格なのか、受験に向けた準備のポイントなどをまとめています。
ぜひ続きをお読みください。
2.エネルギー管理士ってどんな資格か知りたい人
エネルギー管理士とは
エネルギー管理士とは、工場や会社などのエネルギー使用量が多い施設において、エネルギーを効率的に利用して、エネルギー使用量を減らすための仕事をする資格です。
一般的な家庭を例にすると、夏場にエアコンをつけっぱなしにしておくと、電気代がかかりそうに思えます。
しかし、外の気温が35℃を超えるような暑い日であれば、エアコンを切って再びつけるよりも、つけっぱなしにしておいた方が電気代が安くなることがあります。
これは、エアコンを切って再びつけると、再び冷房を効かせるために多くの電気が必要になるためです。
ただし、短時間の外出というのは、30分なのか1時間なのかは、外の気温などの条件に左右されるため、一概には言えません。
エネルギー管理士の仕事は、「外の気温が35℃の時、30分までの外出であれば、エアコンつけっぱなしのほうがお得である。」などの判断を、専門的な知識を用いて行うことです。
また、エネルギー管理士に関して、省エネルギーセンターのHPには、下記のような説明があります。
エネルギー管理士の制度
エネルギー資源の乏しい我が国にとって、エネルギーを可能な限り有効に使用することは重要な課題です。このため、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(通称「省エネ法」)の制定をはじめ、種々の省エネルギー施策が推進されています。以下で紹介するエネルギー管理士制度も省エネ法で定められています。
1.規定量以上のエネルギーを使用する工場は、第一種エネルギー管理指定工場に指定されます。このうち製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種は、エネルギーの使用量に応じてエネルギー管理士の免状の交付を受けている人のうちから1人ないし4人のエネルギー管理者を選任しなければなりません。(前述5業種以外の業種についてはエネルギー管理員の選任となっています。)
第一種エネルギー管理指定工場 熱(燃料等)電気を合算した年間使用量が原油換算3000kl以上
2.第一種エネルギー管理指定工場(製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種)の事業者は「エネルギー管理士免状」の交付を受けているもののうちから、当該工場のエネルギー消費量に応じ一定人数(1~4名)の「エネルギー管理者」を選任しなければなりません。エネルギー管理者の職務
エネルギー管理者は、エネルギーの使用の合理化に関して、エネルギーを消費する設備の維持、エネルギーの使用の方法の改善及び監視、その他経済産業省令で定める業務の管理を行います(省エネ法第11条)。
また、エネルギー管理者は、その職務を誠実に行わなければならないとの規定があるほか、事業者はエネルギーの使用の合理化に関しエネルギー管理者の意見を尊重しなければならないこと、従業員は、エネルギー管理者の指示に従わなければならないことが規定されています(省エネ法第45条)。
https://www.eccj.or.jp/mgr1/guide/index.htmlより
つまり、
・エネルギーをムダなく使うための責任者を、エネルギー管理士の資格を持っているひとから選んでください。
ということが書かれています。
エネルギー管理士の概要が分かったところで、次にエネルギー管理士を受験するために必要な情報をまとめます。
2.申込方法
3.試験日
4.受験費用
5.試験科目について
では、上記項目に関して、まとめていきます。
資格取得方法
エネルギー管理士には、2つの資格取得方法があります。
2.管理研修による取得方法
以下で、2つの方法に関して、まとめていきます。
1.国家試験による取得
いわゆる、試験に合格することで、資格を取得する方法です。
国家試験には、熱分野と電機分野の2つ分野があります。
どちらの試験分野に合格しても同じ資格になりますので、自分の得意な分野で受験をおすすめします。
熱分野の試験科目は下記の通りです。
電気分野の試験科目は下記の通りです。
それぞれの試験科目の詳細はこちらにまとめていますので、よろしければ参照ください。
また、試験の受験者数と合格率は以下の通りです。
試験を受けるための受験資格等はなく、申込をすれば基本的に誰でも受験することができます。
試験に合格すると、エネルギー管理士試験合格証が送られてきます。
もう一つの条件は、実務経験です。
実務経験は下記に該当するもののいずれかに1年以上従事したことを示します。
ここでいう実務とはエネルギーを消費する設備及びエネルギーの使用の合理化に 関する設備の維持並びにエネルギーの使用の方法の改善及び監視をいいますので 対象となる設備(以下の設備の例を参照)とその実務内容(運転・操作・管理・ 監督等)を記載してください。
(対象設備の例)
熱の場合:ボイラー、ボイラー関連設備、蒸気原動機、蒸気輸送装置、貯蔵装置、ドレン回収装置、工業炉、
蒸留装置、蒸発装置、濃縮装置、乾燥装置、加熱装置、熱 交換器、乾留装置、ガス化装置、
冷凍設備、空気調和装置、内燃機関、ガスタービン等電気の場合:発電設備、送電設備、受電設備、変電設備、配電設備、電動力応用設備、電気 加熱設備、
https://www.eccj.or.jp/mgr1/diploma/faq_a.html#17より
空気調和設備、電気化学設備等
先ほどの、エネルギー管理士試験合格証」と「エネルギー使用合理化実務従事証明書」がそろうと、「エネルギー管理士免状」を取得することができます。
2.管理研修による取得方法
すでに、工場や会社において、エネルギー管理の仕事を行っている人が資格を取得する方法です。
エネルギー使用量が多い工場(第二種エネルギー管理指定工場以上の規模)での実務経験があるかたは、認定研修を受けて、その能力が認められた場合、国家試験合格と同等とみなされ、エネルギー管理士の資格を取得することができます。
こちらの場合も、能力の認定のために、試験がありますが、国家試験の内容と比べるとより実務的な内容になっています。
つまり、普段から実務を行っている人にとっては、比較的なじみのある問題が多いとされています。
実務経験がある方は、こちらの方法で取得される方が多いです。
エネルギー管理士の資格を受験される方の多くは、国家試験の合格を目指す方が多いかと思います。
そのため、以降、本記事では、国家資格による取得のみに対象を絞って、情報をまとめていきます。
申込方法
申込方法は、下記の2つのやり方があります。
1.受験願書を提出する方法
2.インターネット申込
2つの申込方法がありますが、インターネット環境がある方は、インターネット申込をオススメいたします。
以下で、2つの方法に関して、まとめていきます。
1.受験願書を提出する方法
こちらの方法は、受験願書に自書で記入し、料金の支払い等を済ませたうえで、願書を提出する方法です。
まず、受験の手引き(願書と払い込み票)を手に入れる必要があります。
受験の手引きを入手する方法は、郵送での取り寄せもしくは配布機関まで直接取りに行く方法です。
毎年、4月上旬から受験の手引きの配布がはじまります。
受験の手引きの取り寄せの詳細は、下記の通りです。
1)配布機関で直接もらう場合
下記、表の配布に行って直接入手することができます。
2)郵送で入手する場合
上記配布機関に、下記の方法で郵送による取り寄せができます。
返信用封筒として、角2号(A4サイズ)の封筒に、以下の必要事項を記入し、切手を貼り付けた封筒を作成してください。
・返信先の郵便番号
・返信先の住所(※勤務先の場合は部署名までご記入ください。)
・返信先の宛名
・返信用封筒に貼付の切手代
「受験の手引」 1部希望のとき 140円分
2部希望のとき 210円分
3~5部希望のとき 250円分
6~10部希望のとき 390円分
この返信用封筒を別の封筒に入れて、下記の「受験の手引」配付機関へ郵送してください。
(このとき、返信用封筒は折りたたんで、定形サイズの封筒などに入れて郵送してもかまいません。)※ エネルギー管理士試験「受験の手引」○部希望 と封筒に必ず明記してください。
※ 「受験の手引」(受験願書)は、無料です。
https://www.eccj.or.jp/mgr1/test_guide/online/post.html
2.インターネット申込
例年、4月に申込開始時期が、省エネルギーセンターHPで告知されます。
その後、5月中旬ごろにインターネット申込のページが開設されるので、示される手順に従って申し込みをします。
必要事項をインターネット上で、申込を行った後、受験料の振り込みの案内があります。
その案内に従って、受験料を振り込むと、申込が正式に完了します。
試験日
試験は、毎年8月の上旬に行われます。
2023年の試験日程は、4月上旬に発表されています。
※2023年の試験日は、7月30日(日)です。
試験申込は、4月3日(月)から始まっています。
詳細は、省エネルギーセンターHPより確認をお願いします。
受験費用
受験費用は、17,000円(非課税)です。
(2021年4月現在)
国家試験の受験費用としては、一般的な水準だと思います。
他の試験だと、平気で50,000円超えのものもあると思えば、比較的良心的な受験費用かと思います。
試験科目について
試験は、熱分野と電機分野の2つの分野があります。
熱分野と電機分野の試験科目は、それぞれ下記の表のとおりです。
熱分野と電機分野の試験科目数は変わらず4科目です。
また、そのうち1科目(エネルギー総合管理及び法規)が共通科目で、残りの3科目が専門科目です。
まとめ
今回は、エネルギー管理士試験の受験資格、試験日、試験科目などについてまとめてきました。
2.資格を取得する方法は、「国家試験に合格する方法」と「認定研修による取得方法」の2つある。
3.国家資格の試験分野は、「熱分野」と「電気分野」の2科目あり、どちらで受かっても同じエネルギー管理士の資格を取得できる。
皆様も、ぜひ一度、エネルギー管理士の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか?